コーヒーのサステナビリティってご存じですか?

第47回コーヒーサロン
昨日、第47回コーヒーサロンに参加してきました。
通常、土日に開催されてきたコーヒーサロンですが、今回は月曜夜の開催ということで土日は参加することが出来ない私もおよそ2年ぶりに参加できました。
やはり、コーヒーの勉強は楽しいですね!
皆さんは、「サステイナブルコーヒー」という言葉をご存知でしょうか?
私達の飲む一杯のコーヒーは、農園の畑でコーヒーの樹から収穫され、農園から精選業者、輸入業者を経て、私のような焙煎小売の店で焙煎加工、商品化されて、皆さん消費者の手に渡ります。
これら様々な立場の人々が等しく生き残っていける、それが「サステイナブル」なコーヒー、という考え方です。なぜこの様な考え方が必要なのでしょうか。コーヒーを作り続けることには、ずっと昔から、様々な問題が生まれてきているからです。
美味しいコーヒーを継続して作り出すということ。
コーヒーの生産を続けていくには、最近よく注目されているように、発展途上国で働く農園労働者が正当な報酬を受け取れるということはもちろんです。
ならばその点だけを見ていればいいのかといえば、それだけでは不十分です。
そのあとのコーヒーのサプライチェーンに関わるあらゆる人々きちんと利益を得ることが出来、最終的には消費者でもある皆さん(毎日コーヒーを飲む僕も消費者の一人です)までが、納得できる品質のコーヒーを適正な価格で受け取れる、そこまでをサステイナブルにしていかないと継続して適正な品質や価格のコーヒーをこの世の中に存在させておくことは出来ません。
今回のコーヒーサロンでは主催者のお一人、東京大学の池本幸生先生から「サステイナブル」という考えや自然環境保護を啓蒙してきた人々、環境に関する活動をしてきた組織などのお話を、もう一人の主催者の株式会社ミカフェート代表取締役社長 川島良彰さんからは生産地での現状のレポートがありました。
川島良彰さんの講演より―
コーヒーを継続的に作り続けるためには、
- ●コーヒー産業に関わる人々が生活を続けていくことが出来る環境づくり
- ●コーヒーを栽培することが継続的に出来る自然環境の保全
しかしながらコーヒーのサプライチェーンにおいては、この2つの面で様々な問題に直面しています。
- ●生産コストの問題
- ●後継者の問題
- ●気候変動による栽培適地の減少
- そして、私達の属する消費国における問題
●ニューヨークのコーヒーマーケットにおける投機による価格の高騰・暴落
これらによってコーヒーを取り巻く環境は日々厳しくなっていると言えます。
もちろんこれら環境問題や投機による価格変動はコーヒーだけの問題とは限りませんが、第三世界である生産国と我々消費国である先進国が密接に関わっているコーヒーという飲み物においては、問題はより複雑になっていると言えるのではないでしょうか。

この日は、お二人の講演の後、参加者が数グループに別れて、「サステイナブルコーヒーとは何か」「これからも継続的にコーヒーを作り続けていくためにはどうしたらよいのか」などを討論し、必要があれば質問をする、という形のディスカッションを行ないました。
この様な活動はひとつひとつは小さな取り組みですが、コーヒー生産の現状、サプライチェーンの抱える問題など目を向け、理解しようとするのにとても重要なことです。
是非皆さんも、もしご興味がありましたら「コーヒーサロン」あるいは「日本サステイナブルコーヒー協会のセミナー」などに参加して、コーヒーのもう一つの側面を知ってみることをおすすめします。
手の中の美味しいコーヒーをいつまでも飲み続けることが出来るように。
東京大学 東洋文化研究所 池本研究室 コーヒーサロン-
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